散歩途中・旧神谷伝兵衛別荘
今年の冬は、殊の外寒い日が続き“梅の蕾は未だかいな?”と、散策に出かけた。
娘が誕生した40年前の1月10日に、鎌倉にお住まいだった夫の恩師の庭に梅が咲いたとお聞きしていた。
実は、男の子だったら決めていた名前があったのだけれど、娘が生まれ急遽先生に女の子の名前をお願いした。
10くらい考えて下さった中に“むめを”の候補があって、意味をお訊ねしたところ誕生した当日に庭の梅が一厘咲いた、、、というお言葉だった。
「むめ」は、若い梅を意味するとお聞きしたような気がする。
それから、梅の咲く時期が気になるようになったのだけれど、娘の誕生日ごろに梅の花を見た記憶がない。
夫が「稲丘当たりの梅畑を見に行ってみよう」と言い出して出かけてみたのだけれど、蕾は小さく硬く当分咲く様子はなさそうだった。
“風の街”には、桜並木は多いのだけれど、梅の木はほとんど見かけない。
この日の散策は、家を出て黒砂水路伝いに国道14号線を越えて梅畑に行く、いつものコースであっていつものコースの途中に見つけていた梅だったのだけれど、、、。
まだまだであった。
黒砂水路の脇の歩道は、黒松とマテバシイが両側に植えてあり自転車路と歩道が線で区別されている。海から全長2㎞くらいだろうか?2㎞と言うと14号線までかな?右側に黒砂水路があり、そのまた右側は仕事車がびゅんびゅん行き交う道路があり、道路を超えると工業団地になっている。
歩道の左側の車道を越えると、集合住宅地が幕張まで続いている。
幕張まで続く美浜区は、埋め立て地に作られた住宅地帯で、昨年三月震災で液状化被害が多く出た地域で、今あちこちで歩道の補修が始まっている。
3月いっぱい続けられるようで、凸凹とうねっていた歩道が車椅子を使用している人にも優しい歩道になりつつある。
14号線を越える歩道橋を渡っている時、「ガキガキガキガキガキ」と何かを踏み潰しているような音を聞いて下を覗くと、とてつもなく長~い仕事車が略直角に左折しているところだった。
上下線ともに交通量が多く、怖さを感じる程だ。
その日の目的地は、梅畑だったのだけれどそのまま京成線伝いに少し歩いて、今では珍しくなったお風呂屋さんの煙突を眺め、住宅街を抜けて14号線に再び出ることにした。
つい先程まで、細く黒い煙を出していた煙突は何もしていないかのような姿に変わっていた。
坂を下りて、再び14号線に戻ると上下線共車列は遠くまで続いていた。
ぶどう酒に魅せられワイナリーを作り、一世を風靡した旧神谷伝兵衛邸へ
階段を上がって旧神谷伝兵衛別荘に入り、庭の彫刻を眺め池の鯉を眺め二つある玄関の一つの前に立ってしばらく眺めていると、庭の木々に水やりをしていたボランティアの方が「どうぞ、中へお入りください。」と勧めて下さった。
軽く一階のご説明をしてくださった後、自由にご覧ください。とのお言葉をいただき、写真撮影の許可もいただき、二階へとお邪魔することにした。
和室と廊下の天井は竹で葡萄棚をイメージし、床柱には太い葡萄の古木が使われていた。
床の間に掛けられた書は、「會古通今」と書かれていたが、12歳の中国の少年(神谷と同い年)の作品だそうだ。
お聞きすると、今でいう「温故知新」の意味のようだ。
千葉市で一番古い鉄筋コンクリートの建物で、ここは迎賓館として使用し、隣に木造三階建の家屋を建てて住まいとしていたのだそうだ。
昨年三月の地震では、一階と二階の階段が設置されている角にクラックが入り、一階部分は修復されていた。
二階部分はそのまま残っていたけれど、傷跡を見た限りでは、しっかりした作りなのだろうと想像ができた。
三階建の木造家屋はなく、まるで一つの建物であったかのように“千葉市民ギャラリー・いなげ”(正面向かって左の玄関)が増築されている。
(二つある玄関の意味が解明)
ギャラリーでは、写真展が行われていた。
いずれも入場無料。
ここを後にして、隣の浅間様へと向かうことにした。
短く急な坂道を上りながら『母が「坂道は踵の土が足りない。って、母親が言ってた」と話していたけど、、、、。』夫に話しかけながら、ふうふう言いつつ上っていると「この坂は大変でしょう!」駐車場に車を停めた優しそうなおじさんが、にこにこ話しかけてきた。
「たいへんですね~。」私も笑って応えた。
(私の話が、聞こえていたみたい)
雪が降ったら、上れそうに無いほど急な坂道だった。
坂を上ったところに松林があり、その松林は浅間様へと導いている。
浅間様には、頭を下げて通り抜けるだけにした。
浅間様の鳥居あたりで、電気工事をしてる方たちがいた。
「なにかイベントでもあるのか?」夫がつぶやいた。
左わきの緩やかな坂道をたどると、直ぐ隣には、愛新覚羅溥傑の仮寓がある。
こじんまりとした古い木造家屋は、ここもボランティアさん達が心地よい空間にしてくれている。
昔の保養地が、14号線というものすごい道路脇にあるという、何だか不思議な一角。
家を出て3時間、ゆっくり回った13㎞。
いつもの散歩コースの一つ。
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まりこ様
コメントありがとうございます。
自由気儘に書いているブログを、チェックし読んでいただきありがとうございます。
まりこ様とは、かなりかなり年齢が違いそうですね。
“メール”は、かなり苦手なので、ブログを読んで下さった時にコメントを頂ければありがたいです。
寒い時期ですので、風邪をひかないようにお気をつけ下さいね。
投稿: krim | 2012年2月13日 (月) 10時24分
はじめましてです(-^□^-)ブログ楽しくて結構チェックしてるんですよヽ(゜▽、゜)ノ実は読者なんです(笑)普段はあんまりコメントとかしないほうなんだけど(照)見てるだけなのもアレかなって思ってコメントしてみました(笑)仲良くしてもらえたら嬉しいですヽ(゚◇゚ )ノ一応わたしのメアド載せておくので良かったらお暇なときにでもメールください(^~^)ココログやってないからメールしてもらえたら嬉しいです(^O^)/まってるねえp(^-^)q
投稿: まりこ | 2012年2月12日 (日) 20時12分
mattiさん
マルヤマさんは、ご近所さんです。“チョイノリ”スクーターの置いてある場所を知っていますので(笑)
浅間神社までは、歩いて20分くらいの場所です。
旧神谷伝兵衛の別荘は、大正6-7年に建設されたようですよ。
大正時代の建物を保存するのは大変ですよね。
mattiさんのお母様のご実家は、きっと素敵だったでしょうね。なんとなくですが、想像できます。
夫の実家は江戸時代後期のものだったそうで、家の中が黒光りしていてタイムスリップしたような家でした。豪農の家の作りで、薄暗くて囲炉裏も土間もありました。
商売の方が買いたいと言って来ていたようでしたが、義父が存命の間は断固として売りませんでした。
34年前に亡くなりましたけど、、、、
その数年後に、壊して建て替えて、昭和の田舎の大きな家になっています。コンクリートの四角い部屋の住人には、既にこの家も郷愁を誘われます。
投稿: krim | 2012年2月 7日 (火) 23時29分
その鳥居のある浅間神社マルヤマさんブログで見たことある気がします。
神谷伝兵衛屋敷はいつごろ建てられたのでしょう?大正期?天井や床の間の様子が母の実家に似ている感じです。ってそんな豪邸ではありませんが~祖母が亡くなり私の従兄弟が壊して家建て替えちゃったんですよ。至ってふつ~の家にね。そうやって昭和は遠くなりにけりってなるのかなあ。
素敵なお散歩写真ありがとうございます。
投稿: matti | 2012年2月 7日 (火) 21時55分
hiro様
史跡巡りは、ロマンがありますね。
その時には、是非、ブログにアップなさってください。
早く暖かくなると良いですね。
投稿: krim | 2012年2月 5日 (日) 19時11分
hiroです。
風は冷たくても、陽射しを受けての散策は気持ちの良いものですね。
旧神谷伝兵衛邸と愛新覚羅溥傑の仮寓は、機会がなく訪れたことはありません。写真が添えてありましたので、とても分かりやすかったです。
私も、暖かくなったら徳川家康由来の「御成街道」と「御成御殿跡」付近まで歩いてみようと計画しています。ただ、史跡はどの程度整備されているのか分かりません。
投稿: hiro | 2012年2月 5日 (日) 17時01分
nuruinuさま
始めまして(o^-^o)
コメントありがとうございます。
お天気の良い日の散歩は、心がほっこりしてきます。
歩いていると、初対面の方が当然のように挨拶をしてくださったり、幼稚園児が拾った松ぼっくりを見せてくれたりと、気持にゆとりがある時って第三者にも伝わるようです。
どうぞ、お天気の良い日にお出かけになってみてください。
nuruinuさんの、ブログはよく読ませていただいてます。
投稿: krim | 2012年2月 5日 (日) 15時09分
こんにちは。
はじめてコメントさせていただきます。
旧神谷伝兵衛邸と愛新覚羅溥傑の仮寓は、わたしも歩いて行ってみたい場所です(ごくごく最近そんないい場所があることを知りました。)。
お写真のように突き抜けるような晴天の日にこういう歴史を感じる場所を散歩するなんて、楽しい一日だと思います。
稲毛周辺の住宅も多い地域に、歴史を感じるような場所や風情ある場所があると感じ、なんだかほっとするようなお散歩コースですね。
ではでは。
投稿: nuruinu | 2012年2月 5日 (日) 13時46分