着物とほぼ同じ形のエイサーの衣装でも、四苦八苦
夏、母の法事の日に、大阪から来ていた姪に仕立て物を頼まれました。
私に話す前に夫に話をしたようで、夫が引き受けてしまっていました。
頼める人がいないと言って、本当に困っているようでしたので頼まれることにしました。
姪は子育ても頑張り、自身のスキルアップの為に一生懸命努力もしています。私は、頑張る人が好きです。頑張る人は応援したくなるのです。と言う訳で、仕立てを引き受けたのです。
和裁の経験はありますが、沖縄のエイサー用の衣装は、未知の物です。
写真での見た目は、日本の着物と変わりなく見えましたが、どこか違うはずだと思ったのです。
依頼されたのは、小学校1年生になる娘用の衣装でした。
その時点で、着せていた衣装は、エイサー仲間で家庭科の先生をしている方がミシンで縫って下さったのだそうです。
衣装が小さくなりすぎて、これ以上は無理と言うところまで来てしまったようです。
遠く離れていることもあり、メールのやり取りだけで仕立てることになりました。
そして、反物と小さくなった衣装が送られてきたのですが、その衣装は、縫って下さった方が「お手本にはしないでください。」と言われたそうですが、とてもお手本にはできない仕立て方でした。
寸法を聞いて見たのですが、姪は着物の事も和裁の事もまったく知らないのです。
彼女の希望は“娘が身長140㎝くらいになるまで着られるもの。”でした。
難しすぎます。
如何したら良いものか、2週間くらい考えてしまいましたが、その前にお礼のハガキが届いてしまいました。
勿論姪が書かせたハガキですが、しっかりとした丁寧な文字が、、、期待されていますね私。(笑)
先ず、衣装の原型を知りたかったので、大人の寸法を聞いてみました。
袖丈(袖の長さ)を訊ねると、どうも袖丈ではなく袖幅を図ったような気がしました。そこで、簡単な図を描いて図る部分を指示しました。
(着物の袖幅は、洋服の袖の長さに値しますし、洋服の袖幅が着物の袖丈の部分になります。)
エイサーの衣装の袖丈は、着物として見てしまうと異常に短いことが分かりました。
そのまま子供用に当てはめて裁断したのですが、出来上がりを見てしっくりしません。子供用の正式の物を見たかったのですが、、、、、一度裁ってしまったものは足すことができませんので、ギリギリの長さで縫い直しました。袖の部分だけは洋服のような縫い代の少ない仕立てになってしまいました。
姪に伯母さんにお任せします。と言われて、日々迷いながら縫いつづけましたが、袖は襷掛けにして踊るので長さは大丈夫です。と姪からメールが届きました。
大人の袖は角袖の様でしたが、子どもの袖も丸みは付いていないと言う事でした。
(子どもの着物の場合は、丸みは大きく袖丈は長めです。)
考えあぐねて、10歳用の基準に沿って仕立てる事にしました。
踊り易くするには、袖付けは短めが良いと思うのだけれど、その部分の微妙な加減が分かりません。衿丈も身丈も着物には決まりがありますが、衣装としての感覚が掴めません。
子どもが成長しても、尚着られる着物と言うのは、単に長さだけの問題ではない事について姪がどの程度理解できているのか?
衣装は、おはしょりで調節して膝下の長さにして踊るのだそうです。
着物本来の着方とは全然違いますので、身丈は姪と相談して100㎝くらいにしました。
着丈70㎝、裄丈46㎝の小さな衣装に仕上げました。本来袖丈はもっと短いのでは?と思っています。たすき掛けをするそうですので、袖丈は踊りには影響なさそうです。
限度はありますが、仕立て上げた衣装は、大きくなるにつれて肩上げ腰上げの量を調節しながら着せていけるんじゃないかと、、、、?
かなり細い女の子ですから、140㎝の身長までは大丈夫かと、、、、?
でも、身長が伸びるだけならともかく太ってしまうとアウトですから、、、、
仕立てあげてからも、クェッションマークが離れません。
11月24日に、エイサーを踊ると言っていましたので仕立ては間に合いました。
姪からは、丁寧なメールが届きとても喜んでもらえたようです。
≪素人の私が見ても、丁寧に裁縫して下さっているのが良くわかって、感激しました。
こんなに丁寧に作って下さるには、きっとかなり時間がかかったと思います。
本当に本当に有難うございます。≫
(着物を着た写真も添付してくれてました。)
時間がかかったのは、考えてる時間が長かったからで、丁寧に縫ったのは、技術力が無いのでせめて丁寧に縫うしかないからなのですよ。
姪や娘や孫も、着物を伝承してくれると嬉しいんですけどね。どっちの顔になるのかな?
(u_u。)(◎´∀`)ノ
娘は、私の着物を受け継ぐのは「プレッシャーだなぁ」と言ってました。そのくせ、着物を着たい時にはいつでも着る着物が有ると思っている節があります。
着物の数は、それほど無いんですけどね。
久しぶりに縫物をして、現在持っている反物を形にしておこうか?そのままにしておこうか?迷っています。
仕立てておいても、私が着なければ娘たちが着物を着るかどうか分からないからです。
年を経て、着物に興味を持って自ら着るかどうかが問題なのです。
まして和裁には手を出さないでしょうし、、、、、
まあ、如何活用するかは、娘たちが考えるでしょうけど。
私の母が残した着物は、小物でも作って義妹や娘や姪達にあげる積りでいます。
3回忌に何か作ろうと思って、着物を解き始めたのですが、涙が止まらなくなって弟二人に袱紗を作ってあげる事で精いっぱいでした。
早めに7回忌を済ませましたので、そろそろ手がけていかないと、と思っています。
私は、着物を着る機会を増やそう!
追記
午前中に姪からメールが届いていました。
≪24日に地元のお祭りで、1キロの道じゅねー(練り歩き)そして間に5回の演舞をして、どんな格好をしても着物のシルエットが綺麗で本当に素晴らしかったです!毎回着せるのが楽しみです。本当にありがとうございました。≫
と言う最高の賛辞です。
乗せるのが上手ですね。
すっかり、良い気分にさせて貰っています。
あ~~私って、何て単純なんでしょう(^O^)
最近のコメント